2004年にスウェーデンのウメオ大学教授エリック・ストルターマンが提唱したDX(デジタルトランスフォーメーション)。
日本では2018年に経済産業省が「DX推進ガイドライン」を取りまとめ発表し、2019年にはDXを推進する法案が可決と、より一層さまざまな企業に対してデジタル的な変革が求められています。またレガシーシステムの保守・運用に伴う膨大なコストやIT人材不足等の問題が懸念される「2025年の崖」に向けた対策としてもDXの需要は高まってきました。
DXの実行において「データとデジタル技術の活用」が前提となっており、そのためには全社員が高いITリテラシーを持つことが必要となってきます。最近ではコロナウイルスの影響で在宅勤務を実施する企業が増え、仕事の電子化はこれまで以上に進んでいくのではないでしょうか。
あらゆる業界・生活環境においてITが浸透していく中、ITの活用はすべての人にとって必要不可欠であり、ITを適切に活用していくにはITリテラシーが重要です。
そこで今回はITリテラシーとは何か、向上させるメリットやその方法についてご紹介します。
目次
ITリテラシーとは?
そもそもITリテラシーとは何でしょう?
言い方は様々あるかと思いますが、ITリテラシーとは簡単に言うと、通信・ネットワーク・セキュリティなど、IT関連サービスや機器、テクノロジーについて理解しそれらを操作する能力のことです。
元々は1970~80年代のアメリカで、図書館を利用して課題解決に必要な文献を見つけ出し活用する能力として提唱された「図書館リテラシー」(library literacy)から発展したものとされています。
1990年代以降、個人のコンピュータ利用やインターネットや携帯電話などによるデジタル化された情報の流通・受発信が一般化し、こうしたデジタル機器やネットワークを通じて情報を取得・活用するという意味で利用されるようになりました。
ITリテラシーは大きくわけて下記3つから構成されています。
情報基礎リテラシー(情報の収集、精査、活用)
その名の通り、インターネット上から正しく有益な情報を見つけ出す能力です。
今やWebサイトやSNSなどには追いきれないほど無数の情報が溢れており、なかにはフェイクニュースと呼ばれる嘘の情報もたくさん紛れています。
緊急事態宣言の前にはトイレットペーパー品薄のデマが流れて買い占めが起こり、もれなく私の近所のスーパー、コンビニ、薬局からも姿を消していました……。デマと思っていても不安になってしまいますよね…… 。
膨大な情報の中にあるこういったフェイクニュースに騙されることなく、自分や自社にとって必要で有益な情報を見つけ出すのが情報リテラシーです。
何か調べる際、どのようなキーワードを組み合わせれば適切な情報にたどり着けるのか、その中で信用できる情報を見極める力も情報リテラシーと言えます。

コンピュータリテラシー(PC活用能力)
コンピュータリテラシーとはコンピュータなどの各種IT機器を操作する技術、あるいは知識を意味しています。
業務でパソコンを全く利用しない会社は少ないかと思います。最低限のコンピュータリテラシーは業務によって異なるものの、キーボードやマウスの操作に関する理解は、ほとんどの企業で求められていることでしょう。
Word・Excel・PowerPointといったOfficeツールを使用する能力に関しても、多くの現場が水準として設定しているのではないでしょうか。
さらに専門的な現場では、特定のプログラミング言語を読み書きする能力を最低水準としている場合もあります。
またOfficeツール以外の各業務で必要になる専用のツール(会計システム、ERP、CRM、BI、etc…)を使用するための知識もここに含まれます。
ネットワークリテラシー
ネットワークリテラシーとは、ネットワークやセキュリティに関する技術的な知識を理解する能力のことです。
近年では「インターネットの正しい使い方」や「インターネットを利用する上でのモラル」の意味でも用いられているそうです。
SNSが普及している今日ではSNSでの発言が取り返しのつかない事態に発展するリスクも十分考えられるため、全てのユーザーが理解し、身につけておくべき能力です。
ITリテラシーの向上によるメリット
それでは、ITリテラシーの向上はどのようなメリットにつながるのでしょうか?
それはITを活用することによる生産性や効率性の向上や、安全で適切なIT運用が可能になる、といったことが挙げられます。
具体的にはコンピュータや業務システム等を使いこなすスキルが高いほど業務の生産性は向上しますし、パソコンやスマホ、インターネット、データベースに関するリテラシーが高ければ必要な情報を素早く、かつ誤った情報に惑わされることなく正確性の高い情報を選択することができます。
安全性については個人情報の取り扱い方やSNSやチャットツールの活用方法など、ネットコミュニケーションのマナーやルールといったコンプライアンス知識がしっかりと身についていればITがらみの不祥事の防止につながります。

ITリテラシーを高める方法
教育機会の提供
ITリテラシーを高めるためにはもちろん日々の業務の中で指導していくことも大切ですが、社員全員がITリテラシー教育を受ける機会を設けることが有効です。
新人研修の中にITリテラシーに関するプログラムを用意している企業もあるかと思います。
業種的に直接かかわる部分が少なかったとしても、ITリテラシーが求められる状況は常に変化していきます。一度で終わらせてしまわず部門や役職ごとで定期的に研修機会を設けることがさらなる向上につながるのではないでしょうか。
具体的な方法としては、書籍やWebサイトから情報を取得し学習することに加え、現在はWebセミナーやeラーニングなどでITリテラシーに関して学習することができます。
カリキュラムはユーザー部門向けや管理者向け、IT部門向けなど、ご自身の会社の学習者に合う内容を選ぶことが重要です。

弊社BIツール(Excellent/WebQuery)もそうですが、パッケージ製品を扱っている企業が製品の利用方法についてのセミナーを開催したり、動画を公開していたりすることもあります。
これらを有効に利用することで製品の基本的な使い方や活用方法を取得できるため、コンピュータリテラシーの向上につながります。
資格の取得
IT関連の資格取得に向けて勉強することも、知識やスキルを体系的に習得できるためおすすめです。
ITパスポート
「ITパスポート」の名称だけ見ると専門的な資格のイメージもあるかと思いますがこちらIT技術者だけを対象とした資格ではなく、ビジネス、IT、情報セキュリティ、コンプライアンスといった幅広い知識が身につくすべての社会人を対象とした資格となっています。
引用元: ITリテラシーを高めるおすすめ試験 https://tech-camp.in/note/technology/16180/
情報セキュリティマネジメント試験
こちらは情報セキュリティを守るためのIT技術による対策や、情報管理や業務フローの見直し、従業員の意識向上といった管理面の対策といったセキュリティマネジメントに関する実践的な技術・知識を学ぶことが出来ます。
引用元: ITリテラシーを高めるおすすめ試験 https://tech-camp.in/note/technology/16180/
まとめ
ITリテラシーを高めるためどんなに注意喚起しても全員同じレベルまで持っていくのには大変で、やはり習得率にも個人差が生まれてしまいます。
しかしそういったITリテラシーについて会社の現状を把握しておくことが、ITリテラシー向上への第一歩となります。
現状を把握したうえで弱点を突かれた際に守れるツールの選定や、教育制度の見直しなど、各企業が改善できる点に対してアクションを起こしていけるのではないでしょうか。
90年代ごろから「ITリテラシー」という言葉自体は総務省発行の情報通信白書にも載っていたりと既にご存知の方も多いと思います。
言われ始めた当初とは異なり、今は高めるための様々な方法があります。もちろん、個人として各々意識していくことも大切ですが企業としてのITリテラシーの考え方を今一度見直すきっかけになりましたら幸いです。
ITリテラシーに不安がある方におすすめのBIツール
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